【売約済】掛軸＜多田千浪＞蝋燭美人図（HP337)

• 作家多田千浪
• 時代昭和
• 全体縦188cm×横56cm
• 内寸縦123cm×横42.5cm
• 本紙絹本
• 状態状態は標準的です。
  本紙にシミ、表具に少し穴があります。
• 箱共箱
• 価格売約済

大正・昭和期に活躍し、美しい女性の絵を描いた木谷千種。そんな木谷千種に師事したのが、本作の作者、多田千浪です。

真っ赤な着物を着た禿。真っ白な肌との対比がとても印象に残ります。
視線を左にずらしていくと、禿の右手には芯切りばさみが握られています。
彼女はろうそくの芯を削って部屋の明かりを調整しているのでしょうか？それとも明かりを消して我々鑑賞者もろとも真っ暗な暗闇へ誘おうとしているのでしょうか？

美しい顔立ちの娘はどこかぼうっと蝋燭を見つめ、我々鑑賞者とも視線が合うことはありません。どこか恍惚としていて、何か別のものを見ているような気さえします。その透き通るような肌と相まってこの世のものならぬ神秘さを感じずにはいられません。
あるいは、その視線の先にある蝋燭の火と同じくゆらぎ、目を離した一瞬のうちに消えてしまうような、そんな非現実的な不安感を与えられることでしょう。
しかし、目線を下にやるとくっきりと赤く描かれた着物が目に映ります。その濃く、鮮やかな色彩を見て、この女性は確かにここに実在しているとどこかほっとするような、そんな安心感を感じさせてくれます。

少しでも興味を抱かれた方はぜひ本作を手に取ってみてください。きっと魅了されることでしょう。

スタッフC・K

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【多田千浪】
多田郁子。大阪の人。木谷千種師事。

(HP337) Beauty Lighting a Candle by Tada Chinami
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