【売約済】掛軸＜根上富治＞桔梗図（HP397)

• 作家根上富治
• 時代大正・昭和
• 全体縦136cm×横66.5cm
• 内寸縦44.5cm×横51.5cm
• 本紙絹本
• 状態状態は良いです。
  本紙と表具下部にシミがあります。
  太巻にイタミがあります。
  二重箱の蓋付近にイタミがあります。
• 付属品共箱・二重箱
• 価格売約済

師である結城素明に比べ、輪郭が明瞭な印象のある根上富治。この作品でもその特徴は大いに現れており、気品のある美しさと凛々しさが魅力の作品です。バランスのいい余白と立体感のある緑の使い方はもちろん、脇役であるはずの撫子の花は優秀な差し色として華やかさを添え、何気なく佇むキリギリスは生命の営みを感じさせます。

誰もが第一印象に感じるであろうこの鮮烈な群青、この色合いが引き立つのにはどうやら理由がありそうです。桔梗の花部分をよく見ると素地色に赤を使っており、岩絵具の発色を底上げしているように見受けられます。画家としての経験値か、それとも本能的なものであったのか。そしてこれは実物を目にしていただかなければどうにもお伝えするのが難しいことですが、桔梗の群青はまるで朝露をまとっているかのような輝きを目に届けるのです。それはご存じの通り、日本画に使われる絵の具が鉱石などを主原料にしていることに起因しますが、画像だけではこの特殊効果をお見せすること叶わず。ぜひご入手のうえ実際にその目でお確かめ下さい。

スタッフ原

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【根上富治】1895-1981
大正-昭和時代の日本画家。山形県出身。本名は富治。結城素明に師事した。
写実に徹した作品をえがく。川崎小虎らと日本画院の創立同人となる。