こっとううんちく【優美かつ想像力の広がる文様】

これを知ったら骨董探しがより楽しくなる!
スタッフによる骨董うんちく話★
 
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こっとう☆うんちく…その29
 
こっとううんちく
 
【優美かつ想像力の広がる文様】
 
器見て
歴史ロマンに
想い馳せ

 
 
こちらの七寸皿、何種類かの模様が適度な余白を残して配され、オシャレな印象ですね。
呉須で描かれているのが 桐文、金泥で描かれているのが 七宝文、では 濃淡2種類の朱色で描かれている葉っぱのようなものは何でしょう?
 
わかりそうでわからない・・・こちらは、杏葉文(ぎょうようもん)と呼ばれます。
 
杏葉とは、晴れの儀式の際に馬を飾った 唐鞍(からくら)と呼ばれる一連の馬具の中の1パーツで、馬の胸と腰のあたりにぶらさげる飾りのこと です。形があんずの葉っぱに似ていることからその名が付いた とされています。
西南アジアから南北朝時代の中国に流入、唐代に流行した後、日本に伝来。平安時代以降、賀茂祭(葵祭)や春日祭でも使われました。
 
植物の桐と一緒に、なぜ馬具である杏葉が描かれているのか?ここからは想像の域を脱しないお話になるのですが・・・。
 
桐も杏葉も、家紋のデザインとして用いられています。
桐文は言わずと知れた、豊臣家
杏葉文を家紋としていたことで有名なのは、文禄・慶長の役の後、朝鮮人陶工の李参平を連れ帰り、伊万里焼誕生のきっかけを作った、佐賀(鍋島)藩の藩祖・鍋島直茂 です。(佐賀県の銘菓に鍋島さまという最中があるのですが、この杏葉文が描かれています。)
直茂は、豊臣秀吉の九州平定に加勢、島津氏の屈服に一役買ったことで評価を得、1589年には豊臣姓が与えられました。
 
さらに、もうひとつの七宝文の「七宝」とは、無量寿経という仏教経典に書かれている七つの宝のことなのですが、これを4分の1ずつ重ねて上下左右に規則正しく連続させる文様を「七宝繋ぎ」といい、四方(「しほう」→「しっぽう」と呼び方が変化した)に無限に広がる輪で、無限に連鎖する 平和や円満を表しています
 
ということで、このお皿のデザインには『秀吉と直茂の蜜月ぶり』、あるいは『両家の繁栄が祈念』されているのかも??
 
こっとう☆うんちくシリーズで初めて、イマジネーションの翼を広げた内容、いかがでしたでしょうか?
決して証明ができるわけではないことだからこそ、ロマンが広がりますね。
 
 
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