【鬼滅の刃・小噺 その③ 】 鬼滅の花

こんにちわ。バイヤーA です。
  
今子供達と一緒に観ているアニメ「鬼滅の刃」ですが「作画が綺麗だな〜」という印象がとても強いです。水のエフェクトや花などの色彩が素晴らしく、暗い夜のシーンが多い為(鬼は夜行性)、闇の黒と明るい色が対比されてとても見映えが良いのです。
  
夜に 藤の花 が綺麗に咲いているシーンも美しかったですね。
鬼滅03

(出典:劇場版「鬼滅の刃」無限列車編公式サイト)

 
物語の中では「藤の花」は鬼を退け、鬼の弱点のひとつとされています。
  
実際にはどうなのでしょうか?
文献等も調べてみましたが、古来からそのように云われている事実はありません。
しかし、藤の花を知ると「鬼が嫌いそうだな〜」という事が想像できます。
藤01
藤の花は「紫色」です。
紫色は古来・聖徳太子の飛鳥時代より最も高貴な「位」の色とされました。
そんな藤の花は平安時代にブームになり、天皇や貴族に愛され、和歌に詠まれたり絵画のモチーフにも度々なっています。
藤02
花のツルが伸びて咲くことから家系の繁栄につながるといわれ、また甘い香りの花はマメ科特有の構造で、蝶が舞っているような形をしています。
藤03
上から降り注ぐように甘く豊かな香りの花を咲かせる様は繁栄を象徴し、嫋やかに垂れている姿は、振り袖姿の女性を想像させるような美しさです。
  
その縁起の良さから苗字や地名にも多く取り入れられました。当時、栄華を極めた藤原氏も「藤」の字がつきますね。前回私がブログでお話しした「酒呑童子」を討ち取った侍の中にも藤原氏の侍は存在しています。
  
更に鬼が嫌がる理由として、藤の花はマメ科であるという事も関係してるかもしれません。
藤は結実するとエンドウ豆のような大きなサヤが出来るようです。意外ですね!
藤04
豆は炒って食べられるみたいですが、味は微妙らしいです…
江戸時代には、飢饉時の大事な食糧だったそうですが、マメ科の中でも毒性が強いほうなので、生では危険のようです。
  
このように藤の花は 魔を滅する=「魔滅(まめ)」のマメ科の植物であり、美しさの内には毒を含み、さらに神様・天照大神の祖先とされる天皇・貴族らが愛でた 高貴で清廉な花であるが故に鬼は藤を嫌った
  
鬼滅の「藤の花」の設定は納得出来るな〜と感じ入った次第です。
  
ところでこの「藤の花」、4月~5月の花で花言葉は「優しさ」「歓迎」「決して離れない」だそうです。花が連ねて咲く様子から「愛が深まる」意味もあるようです。
  
外出自粛のこの時期、室内で軸装された花々で季節を感じ、愉しむ事が出来るのもまた掛軸の魅力でもあります。弊社HPでも、今後は「季節の掛軸」を紹介していく予定ですので是非楽しみにしてください〜