骨董の「紫」②

バイヤーAです。
 
もうひとつ、骨董界で 「紫」が印象的なのは 茶道 でしょうか。
茶道といえば 大徳寺 が頭に浮かびます。
今回は、茶道と密接な関係のある「大徳寺」にまつわる「紫」を紹介します。
 
禅で有名な大徳寺は「大徳寺の茶人面」と称され、茶の湯と大徳寺の関わりはかなり深いです。
大徳寺
大徳寺は京都の「紫野(むらさきの)」にあります。平安時代は貴族が狩りをする場だったのですが、紫野の名称の由来は、むらさきの染料として用いられた紫草が多く自生していたことから、らしいです。
 
そんな大徳寺関連の掛軸には、かならず…「大徳寺派 ○○」「前大徳 ○○」「紫野 ○○」と、老師のお名前の前に位が付きます。
紫野01
紫野02
「紫野」昌道 とあります。
前大徳01
前大徳02
こちらは「前大徳」大徹… ですね。
 
大徳寺派→前大徳→紫野 この順に位は上がり、掛軸の価格も上がります。
 
そして、同じ塔頭(たっちゅう)なら、老師のお年が高い 方が、また歴史的に、より「茶道」と縁の深い塔頭 の方が、価格が高くなります。お軸の状態や他にも多くの事が関係すると価格は変わりますが、「位」だけで新品の物に限りシンプルに判断すると、上記の順になります。
 
最高位は、やはりムラサキの「紫野」。
 
京都の「紫野」には平安京以前から疫病を鎮める為に疫神を祀る神社仏閣が多くあったとされ、現在に至るまで疫病退散の神として崇められています。やはりムラサキの地は古より、疫病を鎮め、邪鬼を払う土地だったのでしょうね。
 
「紫」に関して二話続けてお話させていただきましたが、次回は依然人気の「鬼滅の刃」に戻りたいと思います。漫画の連載が終了したものの、お菓子や関連グッズが巷に増えてきて子供達に財布を狙われている日々です…。
 
それではまた。