幸運をもたらす神獣、四霊

皆様、いかがお過ごしでしょうか?担当のC・Kです。
 
いったん収まったと思われたコロナが徐々に猛威を振るい始めています。
このようなときは自分と家族、友人など大切な人の無事を祈って思わず神頼みをしてしまいますね。今回は、そんな神様ではないですが、少し関係ある神獣についてのお話です。
 
突然ですが、皆様は『四神(しじん)』をご存知でしょうか?
 
東西南北、各方位を司る有名な神、神獣です。
それぞれ、東の青龍西の白虎南の朱雀北の玄武を指します。
元は中国から伝わったものですが、日本でも多くの人に信仰されています。最近では、ゲームや漫画にも登場するので、ご存知の方も多いと思います。
 
では、『四霊(しれい)』をご存知でしょうか?
 
四神と同じく、想像上の四体の神獣ですが、ややマイナーかも知れませんね。正確にいうと中国の古い書物『礼記』(儒教において最も大切な書物、五経のひとつ)に記された、四体の神秘的な動物のことをいいます。四瑞(しずい)ともいいます。
 
それぞれ・・・
 
麒麟(きりん)
 
動物園にいる首の長い動物ではありません(むしろこちらはこの麒麟に似ているとされ、名づけられました)。鹿の体、龍の顔、馬の蹄、黄金の体毛を持った一角獣です(2、3本の角を持って描かれることもあります)。某ビール缶でご覧になられた方が多いと思います。
 
麒麟
 
鳳凰(ほうおう)
 
梧桐(日本ではアオギリ)に住み、五色の羽を持っている鳥です。実は花札の12月の月札に登場します。
鳳凰
霊亀(れいき)
 
仙人たちの桃源郷である蓬莱山を背負った大きな大きな亀です。
霊亀
応龍(おうりゅう)
 
蝙蝠、もしくは鷹の翼を持つ龍です。
霊亀
それぞれ略して、麟(りん)、鳳(ほう)、亀(き)、龍(りゅう)とも呼ばれます。
 
『四神』が方角を司る守護神であるのに対し、『四霊』はこの世のあらゆる動物たちの長とされています。『四霊』という言葉に「霊」という漢字が使われているので幽霊的な怖いものを連想してしまった方もいると思います。しかし、この「霊」は幽霊的な意味ではありません。
 
あらゆる物の中で最も優れたものをさす言葉で「万物の霊長」という言葉があります。『四霊』の「霊」もこれと同じで、あらゆる動物たちの中で最も優れた力を持つという意味になります。
 
つまり、『四霊』は 何か善いことが起こる前兆、吉兆の徴となるような特徴をもつ伝説上の動物たち のことを指すのです。『四霊』の中でも特に、麒麟と鳳凰は優れた治世に現れ、見た者に幸運をもたらすとされています。
 
このブログを読んでくださった方々にも幸運が訪れることをお祈りしています。
 
 
最後に、弊社のホームページでは現在、浄光鶴亭作『桐鳳凰図』 を掲載販売しています
(販売ページ:https://www.art-en.jp/hp047/)。
 
浄光鶴亭の鳳凰図は2016年に開催された展覧会「わが名は鶴亭」に展示されました『桐に鳳凰図』宝暦三年九月(個人蔵)の他には確認されていません。かなり貴重な作品となっています。
 
ぜひ一度、ご覧くださいませ。