こっとううんちく【長い尾っぽは官位の証】

これを知ったら骨董探しがより楽しくなる!
スタッフによる骨董うんちく話★
 
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こっとう☆うんちく…その34
 
こっとううんちく
 
【長い尾っぽは官位の証】
 
あんたが大将!
言わんばかりの
この鳥さん

 
 
古伊万里の器には、瑞鳥(ずいちょう、吉兆とされるおめでたい鳥)が描かれていることも多いですね。
ツル、ニワトリ、サギ、ウズラ、ウグイス、孔雀、想像上のものでは鳳凰など。ゆるキャラよろしく、ほんわかしたタッチの小鳥は愛嬌があり、人気があります。
さて、この器に描かれた鳥。ゆるくて何かはわからない…などとお許しを請いたいところだったのですが、ようやく候補が見つかりました。
 
長い尾っぽが特徴の「山鵲(サンジャク)」。
 
中国が原産で、インドシナ半島からヒマラヤ西部に分布するカラス科の鳥。
全長70cm程で、尾っぽがその内45cmくらいを占めます。古くから日本にも輸入され、「ペット」として飼われていたそう。
 
古代中国において、官職の証として、官位によって異なる印綬(いんじゅ、印章と綬帯=組みひも)が与えられていました。(金印として教科書にも出てくる漢委奴国王印は、中国王朝の臣下として倭の国王を認めた証の印とされていますね。)
山鵲の尾っぽをその組みひもと見なし「綬帯鳥(ジュタイチョウ)」とも呼びます。
その音から、綬帯=受帯(官位を受けること)、綬=寿(長寿)、帯=代(千代万代というように、長く続く世)に通じ、これはすなわち代々官職に就く、という意味で、縁起がいいとされます。
 
官職、官位といっても縁遠い感じがしますが、日頃頑張っている自分へのご褒美、勲章としてこの器を!というのはいかがでしょう(笑)
 
山鵲は、日本でも花鳥画や寺社の欄間の彫刻などに多く登場します。
この器のように牡丹と一緒に描かれているもので有名なものは、かの伊藤若冲にも影響を与えたとされる江戸中期の画僧、浄光鶴亭(じゃっこうかくてい)の「牡丹綬帯鳥図」 -神戸市立博物館蔵- 。 山鵲の色合いよりは全体的に白いですが、象徴的に描いた可能性はありますね。
 
ちなみに弊社のホームページでは、この鶴亭の鳳凰図を販売しております。
とても見ごたえがある作品ですので、ぜひご高覧下さい。
( 【ホームページ(商品販売)】から HP047 で検索するとでてきます。)
 
 
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