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スタッフによる骨董うんちく話★
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こっとう☆うんちく…その37
【偏にゲテとは言えないかわいい龍】
龍の世界
鼻たれ小僧は
五百歳
瑞獣のひとつとして、古伊万里にもよく描かれる龍。
こちらの器に描かれているのは、顔は確かに龍のよう。
でも、角がない?
胴体が木瓜型にデザインされている為わかりにくいですが、爪もなければ鱗もありません。
龍と聞いて想像する、いかにも強そうなイメージとは対極の、ヒョロヒョロ~となんとも優しそうなゆるキャラになっています。
これは絵師の力量の問題・・・というわけではありません。
これは「璃龍」(ちりゅう)。
日本では「雨龍」(あめりゅう・あまりょう・うりゅう)と呼ばれ、雨をつかさどるとされます。
元々、中国を起源とする想像上の生き物である龍は、東西の文化交流が進む中で様々な解釈がなされ、世界中で色々な種類のものが誕生し、信仰の対象とされてきました。
そして中国の中でも、龍の分類の仕方には諸説あります。
例えば、文学者である任昉(じんぼう、460-508)が著したとされる小説集「述異記」には、成長過程で呼び名が変わる と記されています。
『泥水で育った蝮(まむし)は五百年にして蛟(みずち、璃龍・雨龍)となり、蛟は千年にして龍(成龍のこと)となり、龍は五百年にして角がはえ角龍(かくりゅう)となり、角龍は千年にして翼を持つ応龍(おうりゅう)となり、年老いた応龍は黄龍(こうりゅう)と呼ばれる。』
この説によると、璃龍・雨龍は一番下位、あるいは幼い龍とされているのですね。
皇帝の権力の象徴として力強い姿の龍が好まれた中国 に対し、日本では角や爪のないこの雨龍も、愛嬌のある姿で古伊万里によく登場します。
八百万の神というように、万物に神様が宿ると信じていた日本人 だからこそ、龍ちゃんも身近に感じたかったのでしょうか。
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