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こっとう☆うんちく…その28
【可憐ながら意外に骨太!な、この文様】
大きな葉
小花とセットで
ほりえもん?
こちらには、丸く大きな葉っぱが印象的な水草が描かれているのですが、当然ながら「堀江」文ではありません(笑)
「河骨」文(こうほねもん)といいます。
コウホネはスイレン科の水生植物で、泥のたまった沼や小川などに自生します。夏(6~9月)に黄色く小さな花を咲かせます。
花言葉は「崇高」。泥沼から美しい花を咲かせることが悟りを表すということで仏教的に珍重されるハスにも、その生き様は似ていますね。
和名であるコウホネには諸説あるようですが、一説に 白くて太い地下茎が骨のように見える ことから、河の骨、河骨 と呼ぶようになったとされています。
そして、このコウホネの葉っぱを様々な形に配してデザイン化した文様が、家紋 として使われてきました。これで「ほりえもん」と言った理由がわかりましたでしょうか?単なるウケ狙いではありません!平安時代中期の貴族で武将だった、藤原為憲の血筋を引く 堀江氏 などが家紋として用いてきたそうです。
ちょっとひっかけみたいな五七五で、すみません。器探しの際にこの文様が出てきたら、ぜひご注意ください。
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こっとう☆うんちく…その27
【古くから愛され続けてきた石】
太古より、
あるから”たいこ”
石ではない
この器の見込みの真ん中に描かれている、お化け(?)のようにも見える白い物体。
こちらは“たいこせき”と呼ばれる石なのですが、”太古”や、ましてや、”太鼓”でもありません。“太湖”石 と書きます。
これは、中国の現在の江蘇省と浙江省の境界にある、面積が琵琶湖の約3.4倍にも及ぶ広大な湖、太湖周辺の丘陵から切り出される石灰岩 で、湖水や風雨によって浸食され、くぼみや穴の開いた 奇形の石 のことです。
中国の庭園などでよく見られますし、おみやげ品として複製の置物が売られていたりもしますね。
古くから画題としても好まれてきました。現在では、天然記念物 として国外への持ち出しが禁止されています。
一説には、唐代の詩人、白居易(772~846)が発見したとも言われています。
複雑な形状が 仙境(仙人の住む場所)を思わせ、穴はその先に広がる 桃源郷への入り口 のようだということで、道教の思想が重ねあわされたことも、その愛好を広げる一因だったようです。
太湖石は、よくお花と共に描かれます。
この器の場合、右に「百花の王」と呼ばれ富貴の象徴とされてきた”春に咲く牡丹”を、左には高潔な美しさを備えた四季の花々「四君子」のひとつ”秋に咲く菊”を配しています。
この2つで「幾”春秋”を経る」などと言われるように、長い年月を重ねることへの憧れ が表されているのです。
太古から存在するから”たいこ”石ではないにも関わらず、長寿を祝う吉祥文 ではある。
あ~、ややこしや~~・・・
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こっとう☆うんちく…その26
【ヘタウマなキャラの識別方法】
ゆるすぎて
わからなければ
花を見る
古伊万里の器には色々な動物が描かれていることも多く、その愛らしさに人気が集まります。弊社でも最近、珍しい「ゾウ」の文様が描かれた通りもんが、飛ぶように旅立っていきました。
こちらの深鉢にも、何やら生き物らしきものが。ただ、目があるからかろうじて生き物とわかるけど・・・というくらい ゆる~い ですね(汗)
こんな時、よくペアで描かれる植物を知っていると便利 です。
これは「牡丹に唐獅子」。
百獣の王とされる獅子と、百花の王とされる牡丹の組み合わせ は、勇猛さと華麗さを備えたまさに 最強 を意味します。武士に好まれ意匠として甲冑などに用いられたり、権威を示すために襖絵などにも多く描かれました。
また、これとは別の由来として、仏教経典から来た「獅子身中の虫」ということわざをご存じでしょうか?
組織の内部にいる裏切り者、恩を仇で返すような人のことを指す言葉ですが、それを「獅子の体内に寄生しその命をも脅かしかねない虫」と例えています。
そして、その虫の薬となるのが牡丹の花にたまる夜露なのだそうで、獅子と牡丹は切っても切れない関係 というわけです。
その他のペアを挙げてみますと・・・
「松に鶴」「梅に鶯」「紅葉に鹿」「柳に燕」「桐に鳳凰」など。これらはそう、花札にも描かれている組み合わせ。
他にも、「竹に雀」「粟に鶉(うづら)」などがあります。
最後に、植物ではないのですが、弊社でも大人気の「ウサギ」は「波」と一緒に描かれることが多く「波兎」と呼ばれます。うさちゃんがなぜ陸におらず、波に乗っているのでしょうか??
これはぜひ皆様で、調べてみて下さいね。
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こっとう☆うんちく…その25
【可愛い形に隠された深~い由来】
このかたち
かわいさに似合わぬ(?)
深い由来
この器の形。
楕円の4か所をつぶしてできているかのような、お花のようなかわいい形ですが、何と呼ぶかご存知でしょうか?
正解は「木瓜」(もっこう)。
元々は、中国・唐の時代に、宮廷で働く時に着られた官服に織り込まれた文様、窠文(かもん、鳥の巣の文様)に由来 します。鳥の巣ということで、子孫繁栄の願い が込められました。
鳥の巣なのに、なぜ「もっこう」と呼ぶのか。
それは、日本に伝えられた平安時代、有職文様(公家階級の装束や調度品に用いられた文様)として、帽額(もこう、神前や宮殿に用いるすだれの掛けぎわを隠すため、横に張る幕のこと。額隠とも呼ばれる。)に用いられたことから、「もこう」が転じて「もっこう」となり、「木瓜」と当て字がされた とのこと。
またこの文様、日本では広く浸透した家紋の形で「十大家紋」のひとつ とされています。
言葉のもじりなのか、木工職人の家系・末裔に多いそうです。
花弁に例えると4弁ですが色々とバリエーションがあり、例えば織田家の家紋は5弁で「織田木瓜」と呼ばれます。
読み方に関して、木と瓜で「きゅうり」ちゃうの?と思った方、するどい!
野菜のキュウリは「胡瓜」(胡は、中国から見た西方という意味で、キュウリがシルクロードを通じて日本に渡ってきたことに由来)ですが、当て字として「木瓜」とも書きます。
京都・八坂神社のご神紋が、織田家の家紋と同じく5弁の木瓜文で、輪切りにしたキュウリの断面に形が似ています。
そこで 祇園祭の期間中、全国にある祇園神社の周辺では、敬意を払う意味でキュウリを食べないようにしている ところが多いそうです。
この形ひとつに隠された、長い歴史と様々なウンチク。
これをスラスラと口頭で説明できたら、「お~!」と言って頂けるかな・・・がんばります(笑)
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こっとう☆うんちく…その24
【呼び名がマジックのように七変化する文様】
マジシャンか
いや仙人の隠された
不思議な文様
この器に描かれているなんとも不思議な文様ですが、珍しく色々な呼び方があります。
もくもくとした雲のような文様。これは、元々中国で描かれた きのこの一種である霊芝(れいし、万年茸)を図案化したものです。
ですので、そのまま【霊芝文】と呼んでもいいのですが、霊芝は仙人が採り食すと長寿が得られるもので吉祥文とされ、文人画でよく描かれる【仙人祝寿文】(仙人が長寿を祝う意味)とも呼ばれます。
さらに日本では、春の七草のひとつ、ナズナに似ているとされ【なずな文】とも呼ばれています。
全体的に小窓に分けて描くのは芙蓉手の影響で、それがねじれていることから【捻れなずな文】と呼ぶ人もいます。
染付でよくあるデザインなのですが、こちらは赤色が入っており、U・S・Aを感じさせる(?)、なんともオシャレな印象ですよね。
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