ENjoy Antique

縁の社員が日常で琴線にふれたモノやコトにスポットライトを当てます

隠れ太陽の塔?!

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こんにちは、つめ子です。
 
5月、心地よい季節がやってきましたね。
行動規制もなくなり、少し遠出をしたくなる今日この頃です。
 
が、出不精の私は近所を散歩するぐらいがちょうど良いです。
 
万博記念公園が大好きで、月に一度は遊びに行きます。
門を入ると、ドーン!と圧倒的存在感でいつも迎えてくれる 太陽の搭
 
我が家では子供の頃から「太陽の父さん」と呼んでおります。
太陽の搭
やっぱり何度みても感動します。季節によって周りの木々達で雰囲気が変わるのも楽しみの一つです。
 
今は園内のバラ園が見ごろを迎えております。
そういえばバラ園の石畳に、隠れミッキーならぬ、隠れ太陽の塔 を発見?しました笑
石畳
どう見ても太陽の塔に見える…気がします。機会があれば是非探してみてください。
 
太陽の塔といえば 岡本太郎 さん!とパッと想像される方も多いと思います。
そんな世界のTARO展が、今年の7月に中之島美術館で展覧会があるようです。
展覧会岡本太郎

大阪中之島美術館のホームページより)

 
最大規模のスケールとの事で、今から楽しみしかないです!!
 
話題の中之島美術館にも早く行ってみたいですが、それまでは外観だけで我慢!
シップスキャット
こちらにもヤノベケンジさんの作品、シップスキャットがドーーン!と美術館の前に。かわいい~
 
ヤノベケンジさんの作品を他にも見つけました。
 
南茨木駅のサンチャイルド↓
サンチャイルド
兵庫県立美術館のサンシスター↓
サンシスター
芸術作品って、意外な場所にヒョコっとあったりしますよね。
 
目に青葉、山ほととぎす、初鰹
春から夏、季節を五感で感じながらの芸術散歩。おすすめです。
 
初鰹…食べたいな…
 
おわり

西洋絵画の道しるべ「アトリビュート」

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皆さま、こんにちは。スタッフC・Kです。
 
今回は弊社が主に取り扱う日本画から離れ、西洋絵画についてお話します。
 
展覧会などで西洋画をご覧になられたことがある方も多いと思いますが、「この人物は誰だろう?」とか「これは何を表した絵だろう?」と思ったことがある方も非常に多いと思います。しかし、西洋の宗教(キリスト教など)や西洋での伝説などになじみが薄い我々日本人がすぐに理解するのは難しいでしょう。
 
しかし、西洋画にはある決まりが存在します。『アトリビュート』という言葉をご存じでしょうか?
 
『アトリビュート』とは・・・・・・
西洋美術において伝説上・歴史上の人物または神話上の神と関連付けられた持ち物、その物の持ち主を特定する役割を果たす物。持物(じぶつ)。(ウィキペディア より)
 
この説明だと少しわかりにくいかもしれませんね。では、日本画で例を挙げてみましょう。
 
*****
 
想像してみて下さい。皆さんの目の前に一人の少年の絵があります。
少年
これだとこの少年が誰かわかる方はいないと思います。
では、こちらだとどうでしょう?
桃太郎図

(奥谷一陽 作『桃太郎図』 弊社の過去販売作品です)

 
少年の周囲には「犬」「猿」「雉」が描かれています。よく見るとその服装には「桃」が描かれた服を着ています。もうお分かりですね?少年の名前は「桃太郎」です。日本昔話で一二を争うほど有名なヒーローですね。
 
ここで皆さんに考えていただきたいのは、何をもって彼が「桃太郎」であると判断したか?ということです。
 
おそらく「犬」、「猿」、「雉」、「桃」といった「桃太郎」の象徴たる品を確認したからだと思います。ここでいう「犬」、「猿」、「雉」、「桃」が「桃太郎」の『アトリビュート』に当たる物ということになります。
 
*****
 
西洋絵画には『アトリビュート』が存在します。これを知ることで西洋絵画を今よりずっと理解できると思います。
 
それでは、世界でも有名な人物「聖母マリア」の絵を見てみましょう。
受胎告知

(レオナルド・ダ・ヴィンチ作『受胎告知』ウィキペディアより)

 
上の絵画は、聖母マリアが天使ガブリエルにキリストを妊娠していることを告げられる『受胎告知』です。向かって右の女性が聖母マリア、左の羽の生えた人物が天使ガブリエルです。
 
聖母マリアの『アトリビュート』で有名なものは「白百合」、「赤い服と青いマント」、「幼子イエス」などです。
 
「赤い服の上から青いマント」を着た女性、その対面に跪く天使の手には「百合の花」があります。よって、右の女性は聖母マリアだとわかるというわけです。ちなみに「白百合」は乙女の純潔を、「赤い服」は神の慈愛を表すそうです。
 
さらに聖母マリアのそばにはまだ「イエス」はおらず、目の前には天使が跪いて何か語りかけていることからこの作品は『受胎告知』を表したものであると断定できるのです。
 
その他の「聖母マリア」の作品も見てみましょう。
大公の聖母

(ラファエロ・サンツィオ 作『大公の聖母』ウィキペディアより)

 
レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』とは画風も場面も違いますが、赤い服に青いマント赤い服に青いマント、幼子(イエス)が描かれています。人物だけしか描かれていないにもかかわらず、この女性は「聖母マリア」だとわかります。
 
他にも
キリスト・・・・・羊、十字架、茨の冠など
洗礼者ヨハネ・・・・・ らくだの皮の衣、斧と切株、十字架
等があります。
 
このように『アトリビュート』を知ることで西洋画への理解が深まり、より楽しく作品をご覧いただけるようになると思われます。西洋画を鑑賞された方はその作品の『アトリビュート』が何だったのか、何を表していたのか考えてみるのも新たな楽しみとなることでしょう。
 
ここまでご覧いただきありがとうございました。

★こっとううんちく【年中お楽しみいただける(はずの)文様です】(うんちくカード掲載)

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こっとう☆うんちく…その38
 
こっとううんちく
 
【年中お楽しみいただける(はずの)文様です】
 
シカトする
ことも時には
大切だ
(?)
 
 
これから春を迎える時期に、『紅葉に鹿』という季節外れの模様の七寸皿が新しく入ってきました!
ただ、これではアピールになりませんので(汗)、今回もうんちくをお楽しみいただきましょう。
 
よくペアで描かれる動物と植物があるというお話は、こっとう☆うんちく その26 でご紹介しました。
『紅葉に鹿』もそのひとつですが、この組み合わせにはどんな背景があるのでしょうか?
 
パッと思い浮かぶのは、花札 でしょう。
安土・桃山時代、鉄砲やキリスト教などと共にトランプに近いカードゲームが、ポルトガルから日本へ初めて伝えられます。
それが現在の福岡県大牟田市で印刷され「天正カルタ」が誕生。戦国時代、武士たちの間で大流行しました。
江戸時代になるとこれが賭博目的で使われるようになり幕府によって取り締まられるのですが、その抜け道として、見た目ではわからないようカルタに使われていた数字の代わりにお花を当てて、江戸中期頃に誕生したのが花札です。
 
1年12ヵ月、それぞれの季節に合った植物と動物が描かれており、10月が『紅葉に鹿』
実はこの組み合わせはただ何となくではなく、奈良に伝わる「三作石子詰」(さんさくいしこづめ)伝説が元となっています。
 
奈良市中心部にある興福寺に、菩提院大御堂というお堂があります。
江戸時代、五代将軍徳川綱吉(在職 1680-1709)頃のお話とされているのですが、そのお堂で興福寺の小僧さん達が習字のお稽古をしていた時、一頭の鹿が庭に入り習字の紙をくわえていこうとしました。
そこで小僧の一人の三作が追い払うために文鎮を投げたところ、運悪く急所に当たってしまい、鹿は死んでしまった のです。
春日大社のご神使とされる鹿を殺すのは重罪 で、当時は「石子詰」、つまり死んだ鹿と一緒に生き埋めにされるという刑に処せられました。若い三作も例外なく…。
母親のおみよは嘆き悲しみ、供養のため三作が埋められたすぐそばに紅葉の木を植えた のです。近松門左衛門の浄瑠璃「十三鐘」により、このお話が有名になりました。
 
なんとも物悲しい…もっとも、これは作り話だという説もあります。
また、一説にこの花札の文様が元となり鹿肉を「もみじ」と呼ぶようになったとされていたり、10月の札の鹿がそっぽを向いている様子から、無視することを「シカト」する、と言うようになったりと、今にもその文化的影響を残すすごい文様 なのです。
 
暗い側面はシカトして、「子を思う親心の美しさ」を表すとも言える『紅葉に鹿』文様の器。
季節に関係なく、皆様の食卓にいかがでしょうか(笑)。
 
 
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こっとううんちく【偏にゲテとは言えないかわいい龍】

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こっとう☆うんちく…その37
 
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【偏にゲテとは言えないかわいい龍】
 
龍の世界
鼻たれ小僧は
五百歳

 
 
瑞獣のひとつとして、古伊万里にもよく描かれる龍
 
こちらの器に描かれているのは、顔は確かに龍のよう。
でも、角がない?
胴体が木瓜型にデザインされている為わかりにくいですが、爪もなければ鱗もありません。
龍と聞いて想像する、いかにも強そうなイメージとは対極の、ヒョロヒョロ~となんとも優しそうなゆるキャラになっています。
これは絵師の力量の問題・・・というわけではありません。
 
これは「璃龍」(ちりゅう)。
日本では「雨龍」(あめりゅう・あまりょう・うりゅう)と呼ばれ、雨をつかさどるとされます。
 
元々、中国を起源とする想像上の生き物である龍は、東西の文化交流が進む中で様々な解釈がなされ、世界中で色々な種類のものが誕生し、信仰の対象とされてきました。
そして中国の中でも、龍の分類の仕方には諸説あります。
 
例えば、文学者である任昉(じんぼう、460-508)が著したとされる小説集「述異記」には、成長過程で呼び名が変わる と記されています。
『泥水で育った蝮(まむし)は五百年にして(みずち、璃龍・雨龍)となり、蛟は千年にして(成龍のこと)となり、龍は五百年にして角がはえ角龍(かくりゅう)となり、角龍は千年にして翼を持つ応龍(おうりゅう)となり、年老いた応龍は黄龍(こうりゅう)と呼ばれる。』
この説によると、璃龍・雨龍は一番下位、あるいは幼い龍とされているのですね。
 
皇帝の権力の象徴として力強い姿の龍が好まれた中国 に対し、日本では角や爪のないこの雨龍も、愛嬌のある姿で古伊万里によく登場します。
八百万の神というように、万物に神様が宿ると信じていた日本人 だからこそ、龍ちゃんも身近に感じたかったのでしょうか。
 
 
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こっとううんちく【ダイバーシティを象徴する?花模様】

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こっとう☆うんちく…その36
 
こっとううんちく
 
【ダイバーシティを象徴する?花模様】
 
紅蓮華の
ように咲き誇れ!
宝相華

 
 
ここぞとばかりに流行りに乗ってしまいました。すみません。
 
(今更ながら)紅蓮華は、紅色のハス のこと。
「蓮華」はハスやスイレンを指すと共に、蓮華草の略として、ゲンゲ(レンゲ)を指すこともあります。
 
一方、宝相華(ほうそうげ)は、特定の 実在する花の名称ではありません
 
古代メソポタミアの花弁や尖った葉を扇形に広げたような「パルメット」文様や、古代エジプトの花弁が放射状に広がったような、蓮の花とも太陽をかたどったともされる「ロゼット」文様などが、弧線や渦巻線でつながれ唐草文様の起源となりました。
 
それがシルクロードを経て東方へ伝播していく中で様々なアレンジがされ、中国へは六朝時代(222~589年)に伝播。
牡丹や芍薬、シャクナゲ、芙蓉、さらには柘榴や葡萄など、色々な花や果物の美しい部分が組み合わされ、架空の花模様 が生み出されました。
 
日本へは、仏教の伝来と共に仏具や宝物の装飾模様 として伝わり、その後食器や衣類などの模様にも用いられるように。
正倉院を代表する宝物のひとつ「螺鈿紫檀五弦琵琶」の背面には、螺鈿と象嵌の技法できらびやかに宝相華が散りばめられています。
「中国の唐伝来の」という意味合いで、唐草や唐花と呼ばれたと思われます。
 
このように、長い長い時代を経て徐々に形作られた文様なのですが、「宝相華」という呼び方が日本で広まったのは案外新しく、明治22(1889)年の美術雑誌「國華」第3号の記事で、平等院鳳凰堂内の花模様をそう呼んだ ことに始まったのだそう。
平等院のウェブサイト
 
起源にも諸説あり特定の形があるわけではないため、なかなか端的な説明は難しい宝相華。
皆様それぞれの心の中で、あなた自身の花を咲き誇らせましょう!
 
 
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