ENjoy Antique

縁の社員が日常で琴線にふれたモノやコトにスポットライトを当てます

買取事業部がお米プレゼントキャンペーンのためにスタジオ撮影初体験してきました!

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縁の米キャン

【買取部】お米プレゼントキャンペーンの撮影レポ♪

さあ12月です!
いきなりそんな寒くならなくたっていいじゃないってくらい気温急降下ですね。
オデ子のおデコもヒンヤリしてきたので、そろそろニット帽を出そうと思います。

 

わたくしオデ子、今日のブログを早く公開したくってウズウズしていました。
みなさまもう見てくれましたか?!買取事業部が企画した、12月限定キャンペーン、ついに発表です!!

 

ジャンジャジャーーーーーーーンっ

株式会社縁 12月限定キャンペーン

綺麗な写真でしょ~♪
大阪で掛軸や骨董の買取といえば、新聞広告でおなじみの株式会社縁!! という、これまでの広告イメージを引き継ぎながらも素敵な原稿に仕上がりました。

 

1万円以上のご成約で3kgのお米をプレゼント する企画なので、、、
骨董屋なのに、手に持ってるのが 骨董品でも古美術品でもなく、「お米」って。笑

 

今回のオデ子ブログでは、楽しかった撮影の裏側をレポートします♪

 

11月某日

 

南船場4丁目にある弊社からスグ近く!南船場3丁目にあるスタジオクライムさんに広告用写真をお願いしました。

 

入ってすぐにオーナーカメラマンの藤田さんとアシスタントのCHiCOさんがにこやかにお出迎え。

 

撮影の流れを打ち合わせして、緊張のタネとなっている目の前の真っ白なスタジオへ・・・ドキドキ・・・

 

フォトスタジオなんて初めての3人。見てくださいこのガッチガチの顔

ぎこちない顔

藤田カメラマンもCHiCOさんもスゴイんですよ。

撮られることに慣れていない私たち素人でも、楽しく自然な笑顔になるようにあやつる魔法使い。一瞬の笑顔を逃さない鋭いシャッターと、なごやかに自然な笑顔ができるよう誘導するテクニックはさすがプロフェッショナルのなせる業ですね。
あれよあれよとニッコニコです。

お米&ジャンプ

このときオデ子、気づきました。お米10kgは重たい

写真04

藤田カメラマンが脚立に上がってこんな楽しそうな写真を撮ってくれたのですが、実は・・・

写真05

米、重たすぎて阿鼻叫喚でした!!

普通ね!!中身抜きますよね!!!なんか軽いものにすり替えるとかね!!!

 

10kgの怪物は相棒Kちゃんとオデ子でかわりばんこで持ったんですが、撮影終わった後はさすがの力持ちも腕がぷるぷるしてました。上腕三頭筋を育てるのは難しいのです。

 

そんな裏話や買取こぼれ話もある、株式会社縁買取事業部のTwitterもよろしくね♪(リンク先はスタジオ撮影のときのツイートです)

 

カメラ向けられると顔がキマるKちゃん。撮られるのがとても上手。

写真06

ボスも立ち姿を細かく指示してもらって、カッコイイ写真がたくさん撮れました!!

写真07

不思議ですねえ、笑顔の人を見ると自然とつられて笑顔になっちゃう。

写真08

最後にお米撮ってみたらめっちゃ夢中になってる藤田先生がおちゃめ笑。

写真09

居残りオデ子だけみなさんと記念撮影させていただきました♪

写真10

終了後はちょっぴり雑談♪
 
オデ子が株式会社縁に入ったころボロボロの掛軸や屏風が紙くずにしか見えなかったことや、友人が骨董屋に入社して「最近は巻物とか焼物とか売ってる」と聞いた時コイツなんか怪しいことさせられてるんちゃうかと心配した話、蔵出しや取り壊しの家の中で一日ずっと古美術品の買取をしていると乙女の鼻くそも真っ黒になることなど話すととても楽しそうに聞いてくれました。笑

 

そんな過酷な現場をコレクションした動画がこちらにありますので観てみてください!

 

#縁の米キャン2022 は12月限定キャンペーンですが、他にもたくさん撮ってもらった写真を広告に使うのがとっても楽しみ!
どんな原稿になるか皆さんも楽しみにお待ちくださいね☆

 

オデ子でした。

 
 

▼▼▼ お米チャンスを逃さない!株式会社縁 買取事業部へのアクセス方法はコチラ▼▼▼

 
 
株式会社縁 買取事業部
 
フリーダイヤル : 0120-261-540
直通メール : kaitori@art-en.jp
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各応答時間 平日9:00~17:00
 
※お写真などの送付は24時間受付可能です。翌応答時間内にスタッフが確認し、お返事を差し上げるまでお待ちくださいませ。
 
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ジャン・プルーヴェ展へ!

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ジャン・プルーヴェ展へ!

こんにちは、nyanです。

 

日頃から古いものを扱っている縁ですが、私の中で今一番アツイ古いものは ヴィンテージ家具 です!
今年の7月~10月まで東京都現代美術館で行われていた ジャン・プルーヴェ展 に行ってきました。

ジャン・プルーヴェ展
ジャン・プルーヴェ は1901年フランス生まれ。
建築家、デザイナーです。
 
プルーヴェといえばこの「スタンダードチェア」。
何脚ものスタンダードチェアが年代ごとで並んでいて圧巻でした。後ろ姿が特徴的でかわいい!
戦時中は金属が使えず全て木製で作られていたり、輸出用に分解式に改良されていたり、椅子だけで歴史を感じられます。
 
ヴィンテージのスタンダードチェアは今とても手が出ない程高騰していて、この部屋一体いくら…?なんて野暮なことも考えてしまいました。
スタンダードチェア
他にも名作椅子や家具がたくさん展示されていて眼福!
椅子や家具
展示の後半は建築家としてのプルーヴェ。
その辺りは私はあまり知識がなかったのですが、アルミニウムで作られた建具がとてもおしゃれ!
建具
こういった建具や骨組みを組み合わせて解体・移築可能な組み立て式住居を建ててしまうそうです。
組み立てている映像もありましたが3日ほどで家が建ってしまう様子には驚きました。
 
美術館の中にはその住居が建てられており、間近で見ることができました。
組み立て式住居
新しいものにはない、ヴィンテージの魅力にますますハマっていきそうです…!

「秋の七草」のお話

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「秋の七草」のお話

皆さま。こんにちは。
担当C・Kです。

 

蒸し暑かった夏がようやく過ぎ去ろうとしています。秋がやってきていますね。
今回は「秋の七草」についてお話ししようと思います。

 

以前、七草粥のお話をしたとき、七草粥に使う具材は「春の七草」だと述べました。
実は七草があるのは春だけではありません。秋にも七草は存在するのです!

 

「春の七草」は、正月料理に疲れた胃腸を休め、冬に不足しがちな青菜を補うための七草粥を作るために食用の植物が選ばれています。しかし、「秋の七草」は秋の野に咲く花です。生薬の薬効を持っているものもありますが、食べるためではなく花を見て秋を楽しむための花々で、万葉集の歌人 山上憶良が詠んだ二首の歌から来ています。

 

〇『秋の野に 咲きたる花を 指折りかき数ふれば 七種の花』 
(山上憶良 万葉集  一五三七 巻八)
〇『萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花』
(山上憶良 万葉集  一五三八 巻八)
※「朝貌の花」は、諸説ありますが、「桔梗」を指すのが有力な説です。

 

萩(はぎ)
秋に咲く草という意味で、お彼岸の時に食べる「おはぎ」の由来です。

萩

Wikipediaより)

 

桔梗(ききょう)
根が結(桔)実し、硬(梗)いことに由来する。木偏をとると「吉更(さらにきち)」になるため、縁起物としても好まれました。

桔梗

Wikipediaより)

 

葛(くず)
奈良県吉野付近の古代の地名「国栖(くず)」に由来します。有名な漢方薬「葛根」は葛の根を乾燥させたものです。

葛

Wikipediaより)

 

藤袴(ふじばかま)
花弁が藤色の袴に似ていることから名がつけられました。香りが強く、公家の人々は湯に入れたり、衣服や髪につけていたそうです。

藤袴

Wikipediaより)

 

女郎花(おみなえし)
女性が食べていた黄色い粟飯「女飯(おみなめし)」と花が似ていることから、「オミナメシ」→「オミナエシ」と呼ぶようになったそうです。ちなみに、男性は白いもち米の飯「男飯(おとこめし)」を食べており、白い花だと「男郎花(おとこえし)」と呼ぶそうです。

女郎花

Wikipediaより)

 

尾花(おばな)
ススキの事です。花穂が馬の尾に似ていることが由来です。

尾花

Wikipediaより)

 

撫子(なでしこ)
花が小さく、色も愛すべきところから、愛児のように撫でいつくしむの意味とされています。

撫子

Wikipediaより)

 
これらの花々は昔から絵師たちによく描かれており、掛軸にもたびたび登場します!
弊社の商品にも良く描かれていますよ。
HP513

(小川翠村 萩花群鶉図「露光」(HP513) 一部)

 
HP497

(大出東皐 秋草蝶猫図(HP497) 一部)

 

このように、昔から日本人はその季節で草花を愛で、鑑賞してきました。昨今の異常気象で年々短く感じる秋ではありますが、この「秋の七草」から秋を感じて頂ければ幸いです。
 
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

現代アートを買ってみる!?

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現代アートを買ってみる!?

こんにちは。スタッフDです。

 

コロナに振り回され、いよいよ3年の経過が近づいてきました。得体の知れないウイルスの脅威に戦々恐々としていた当初より、よくも悪くも慣れやダレが生じている昨今。行動制限がなくなってもう大丈夫なのかと思いきや、感染者数は減らず、まだまだ予断を許さない状況。ウィズコロナは必至の様相です。でも、基本的な対策についてはもう身に付いているし、いい加減、何か新しいことを始めたいなぁ・・・と思われている方も多いのではないでしょうか?

 

そこで、今回はひとつのご提案を。「現代アートを買ってみる!?

 

ここ数年、プチバブルとも言われている日本の現代アート市場。これまでの行動制限などで行き場を失ったお金が流れているとも。オークションでは人気作家の作品が軒並み史上最高値を更新。東京を中心に大都市で開催されるアートフェアには、時差入場などの措置が施されながらも多数の来場者があり、活況を呈しています。また需要の増加に伴い、現代アートを扱う新たなギャラリーの立ち上げも目立っています。

 

とは言え「現代アートはよくわからない」とか「それを買うなんてお金持ちの趣味なんでしょ?」と仰る方は多いと思います。

 

そもそも現代アートって何なのか

 

どこまでも深く議論できそうですが、それは今回の本題からは外れます。ここではごく簡単に「19世紀に生まれ、20世紀に普及したカメラ・写真によって、見たものをいかにそのまま綺麗に描くか、造るかというそれまでの至上命題が崩れた後、個々の価値観に基づく表現を模索する中で、現在も生み出され続けているもの」としてみましょう。

 

末永幸歩「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考」(ダイヤモンド社)で、既成概念を打ち破り、歴史に残る名作となった6つの作品が取り上げられています(一般的な分類では、近代アートも含まれます)。文中にそれらを挿絵として載せ、筆者がそれぞれの何が革新的だったと言っているのか、ひと言説明を添えます。

 

私たち、株式会社縁は骨董商なので、物故(亡くなった)作家の作品の取り扱いがほとんどです。

 

骨董品は、一般的な商品のように原材料費やかかった経費に利益を乗せたものとは異なり、その時々の流行に左右されながらも、ある程度共有された相場があって値付けがされるという、とても独特なものと言えるでしょう。そしてそこには当然、長い年月を生き残ってきたという希少価値も加味されていると思います。

 

対して、現代アートは?

 

制作年が今年であるばかりか、昨日今日制作されたものに、0が何個付いてるの!?という場合もあります。ある時、ある作家の展覧会でそんな作品が奪い合うように買われていった現場に居合わせ、正直幾ばくかの”怪しさ”も感じつつ(笑)「現代アートの値段ってどう決まるんだろう?」と率直な疑問が沸き、追求してみようと思ったのです。

 

以下は、その疑問に対する私の現時点での解釈と、現代アートを買う場合のマインドのようなことについて、全くの知識0から、ここ2、3年の個人的な経験の中で知り得たことに基づいて書いたものです(つたない知識を補うために、いくつかの書籍を参考にさせて頂いておりますが)。
 

ド素人の見解として、どうぞ気軽な気持ちでお楽しみ頂けましたら…。

 

▼モノを見たまま(の色で)描くことからの開放
アンリ・マティス「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」(1905)

アンリ・マティス「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」(1905)

 

まず、基本的な用語から。

 

美術品が売買される場所として、プライマリーマーケット(第一次市場)と、セカンダリーマーケット(第二次市場)という呼び方があります。

 

プライマリーはいわば「新品」が販売される場所で、作家本人や展示会を開催したギャラリーなどから購入する場合のこと。対してセカンダリーは、それを購入した個人から売りに出されたもの、いわば「中古」が売買される、例えばオークションのような場所のことを言います。

 

一般的な商品だと、中古は新品よりも値段が下がってしまいますね。なのに、プライマリーでも販売されている、ご存命の、現在進行形で制作をしている作家の作品の価格がセカンダリーで高騰するのはなぜか。それは、プライマリーで手に入れることが非常に困難になってしまっている場合です。超人気作家になると、購入したいとの意思を示したところでウェイティングリストに数百人が列を成している状態で、何年待ちです、と言われてしまったりします。それでも今すぐに手に入れたいという人が集まると、セカンダリーでの価格が高騰するのです。

 

セカンダリーでの価格は履歴として残ります。通常プライマリーでの価格はセカンダリーよりも安く設定されているため、セカンダリーで高く売れるという事実が示されると、プライマリーでの順番待ちがさらに長くなって買えなくなる。するとセカンダリーでの競争もますます激しくなって価格が高騰し・・・。無限ループですね。

 

現代アートの絶対に損しない買い方」それは「国際価格で五百万円くらいを超えてきた作品だけをそろえていく」ことだと、日本の現代アートを中心に2500点以上をコレクションされている有名コレクターであり、精神科医の高橋龍太郎さんは著書で仰っています。(高橋龍太郎「現代美術コレクター」講談社現代新書)

 

とは言え、これは一般ピーポーには無理!ですよね・・・。

 

となると、将来有望な作家を見出して、プライマリーでまだ安値の時に買っておくのが、我々が取り得る唯一の方法です。でも、それには美術品に対するかなりの造詣と審美眼が必要なんじゃないの?と思ってしまうかもしれません。

 

▼1つの視点からモノを捉えた、遠近法のリアルへの挑戦
パブロ・ピカソ「アビニヨンの娘たち」(1907)

パブロ・ピカソ「アビニヨンの娘たち」(1907)

 

そもそも特定の作家のアート作品がいい、素晴らしい、となり、買いたい人が列を成すまでになるのはなぜなのでしょうか?

 

実は、アート作品の評価は、”アート界”全体の多数意見によって決まるのです。アート界とは、アーティスト、美術館・ギャラリーの館長やキュレーター、記者やジャーナリスト、批評家・・・それに美術愛好家までを包括的に指します(スージー・ホッジ「世界をゆるがしたアート クールベからバンクシーまで、タブーを打ち破った挑戦者たち」青幻舎)。

 

なので、作品の制作のみならず、今ならSNSをやっていて、個展を開いたり公募展に応募したりと、その公開にも注力し、世間の耳目を集める努力をしている作家は注目されやすいですよね。そして、アート作品のよさを、きちんと言語化して表現できる豊富な知識を持ち合わせた大学の先生や有名なキュレーターなどの批評家が、その作家や作品を世に知らしめる。徐々にその言説に共感するアート界の人たちが増えていって、ザワザワ・・・となっていくというわけです。業界に関係のない、アートに特段の興味のない一般の人が「へぇ~こんな人いるんだ~」と気づく頃には、その作家は既に手の届かない存在となっていることでしょう。

 

一見誰にでも描けそうな、絵の具を撒き散らした抽象画で有名なジャクソン・ポロックも、大量生産された商業製品のコピーすらアートにしてしまったアンディ・ウォーホルも、その価値を見出し、言語化して広めるきっかけを作った批評家がいたからこそ、歴史に名を残すスーパースターたりえたということなのです(三浦俊彦「東大の先生!超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!」かんき出版)。

 

▼何か(具象物)を描くことからの開放。初めて抽象画が登場した。
ワシリー・カンディンスキー「コンポジション VII」(1913)

ワシリー・カンディンスキー「コンポジション VII」(1913)

 

資産となる(かもしれない)アート作品が欲しい場合、このアート界の”空気”を感じる必要があります。今、誰が推され、注目されているのか。決してふらりと立ち寄ったギャラリーで、自分の好みだけを頼りに直感で買ってしまってはいけません(いや、もちろん懐に余裕があれば全然いいんですけど・・・)。

 

一昔前であれば、ギャラリーに通いつめ、担当者と懇意になって情報を聞き出すといったアナログな方法しかなかったでしょう。今でもそれは有効な手段のひとつではあると思います。でも、全くアート作品を買ったことのない人にとって、まずどのギャラリーに行けばいいのかもわからないし、買うかどうかわからないのにギャラリーの人に話しかけるなんて、と、ハードルは相当高く思えることでしょう。

 

でも、安心して下さい。現代には、集合知を活用できる素晴らしいツールがあります。そう、インターネットとSNSです。これでアート界の空気を感じちゃえばいいのです。

 

▼アートは視覚的に美しいものという固定観念からの開放。アートが目から頭で鑑賞するものへ。
マルセル・デュシャン「泉」(1917)

マルセル・デュシャン「」(1917)

 

まず、好きだなと思える作家、作品を見つけるところから始めましょう。購入したら長期間保有し、室内に飾って楽しむのが基本なので、本心では気に入らないのに人気があるからという理由で買ってしまうことはしない方が無難です。例えば、色々なギャラリーが一同に会すアートフェアに行ってみると、それぞれが今一押しの作家の作品が一度にたくさん観られるのでおススメです。

 

その場では自分の琴線に触れる作品、作家を見つけることに注力し、SNSがあればフォロー。帰宅後、リサーチです。作家の経歴や受賞歴、制作におけるコンセプト、そしてSNSのフォロワーに誰がいるか。現代アートを取り扱う企業の代表・担当者や、アートウォッチャーとでも呼べるような、頻繁に展示を観に行っては発信をされている有名なコレクターなどがいると、注目度がわかります(ここらへん、初めはわからなくても繰り返していたらわかるようになります)。

 

その後、再度、気になった作家の個展・グループ展などを訪ねます。現場でわかる情報、それは売れ行きです。どんなに画風やコンセプトに惹かれても、これが鈍いと感じたら一旦様子見。逆に人気作家になると、初日に完売はおろか、初日のオープン時間に入っても買えないことが多々あります。混乱を避けるために様々な方法で販売がされているのですが、これは皆様、ぜひ実際に体験してみて下さい。嫌というほどアート界の空気が感じられます(笑)。

 

作家ご本人と話してみること。これができるのも現代アートならではで、様々な感性に触れるのはとても楽しいのですが、根堀り葉堀り聞いた後で「ほんで、買わんのか~い」となるのが申し訳なくて(自意識過剰なだけ?笑)、私は(検討中の段階では)敬遠しがちです。それに、情にほだされて買う、というのも、なんか違いますしね。

 

▼アートは何らかのイメージを表現するものではなく、物質そのものと捉えてもよい。絵は、何かが描かれたものではなく、キャンバスに絵の具が付着しただけのものという捉え方もあり。
ジャクソン・ポロック「ナンバー1A」(1948)

ジャクソン・ポロック「ナンバー1A」(1948)

 

アートのお値段感に関しての参考ですが、キャンバス作品であれば、学生の適正価格、いわばスタートの価格は1号5,000円程度とされているようです。10号(長辺530mm)なら5万円。ギャラリーに宣伝や販売を任せている場合は、その取り分30~50%程度が乗っています。

 

実力や人気が付いていくことにより値段が上がるのは健全なことですが、新人なのにあまりに高いのは、ギャラリーの期待値が乗り過ぎている場合も。逆に、あまりに安いと買うに値するか、これも一考の余地があると思います。また、すぐに転売することは、その作家の作品の価値を毀損をする行為となりうる(転売された値段がプライマリーを下回り、それが履歴として残ったらどうでしょう)ので、絶対にやめましょう。

 

▼食器洗いパッドのパッケージをそのままコピーして作品として発表。アートとアートでないものとの境界線をなくした。
アンディ・ウォーホル「ブリロ・ボックス」(1964)

アンディ・ウォーホル「ブリロ・ボックス」(1964)

 
(2022年9月17日~2023年2月12日、京都市京セラ美術館で、約200点の作品が集まる大規模な企画展「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」が開催されました。)

 

以上を心得、やっとの思いである作品を購入したとしても、当然のことながらプライマリーである程度人気が集まっている作家の作品とて、セカンダリーで確実に値段が上がるという保障はありません

 

でも、虎の子の身銭を切って誰の将来に賭けるのかを真剣に考えることは、ただ漫然と美術館を周っているのとは全く異なる経験で、鑑賞眼も格段に磨かれると(信じたい)。そして、アート界のプロたちが注目する作家は、やはりすごいんです。模倣なんていくらでもできる時代において、その人にしか持ち得なかったであろう特異な着眼で、寝食を忘れ没頭し制作された作品が発するエネルギーには、心底圧倒されてしまいます。そのエネルギーを分けてもらっておうち時間を充実させたい、というのも特に今は「現代アートを買ってみる」いい動機となるかもしれません。

 

先ほど言及した高橋龍太郎さんは「日本で一年間に卒業する芸大・美大生は・・・一万五千人くらい」「その中で歴史に残り、十年先も百年先もプライスがちゃんとつくのは、せいぜい各学年一人」と仰っています。いわば、アート界のオオタニさんや藤井聡太さんのようなキラリと光る才能を見つけ出すのって、とてもワクワクするし夢がありますよ。
 

信じるか信じないか、一歩踏み出すのかどうかは、あなた次第です。ただ、あくまで余剰資金にて自己責任で、決して度を越さないように・・・。

遊郭探訪記〜江戸幕府公認の色街・大阪新町遊郭跡を歩く〜

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遊郭探訪記〜江戸幕府公認の色街・大阪新町遊郭跡を歩く〜

皆さん、初めまして。

今回よりブログ初参戦のスタッフSです。

 
記念すべき第1回目は、大阪を代表する色街・新町遊郭 について。
時は江戸時代。現在の大阪市西区新町1丁目〜2丁目の辺りに巨大な遊郭が存在しました。
 
マップ
このあたりですね。東に阪神高速、南に長堀通が通ります。
実は、新町遊郭の跡地は、弊社の所在地である南船場から目と鼻の先にあるエリアなんです。
 
それではさっそく探索にいってみましょう〜〜〜
 
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阪神高速高架下
弊社から西へ1分程歩くと阪神高速の高架下に行き着きます。
 
かつてこの場所には川が流れており、そこに 新町橋 という名の橋が架かっていました。
この橋を渡り終えた所に大門(おおもん)と呼ばれる門があり、大門をくぐるとその先にはいわゆる色街が広がっていました。
 
この色街こそが江戸時代、日本三大遊郭の一つ であった新町遊郭です(あとの二つは江戸の吉原、京都の島原)。1627年(寛永4年)、もともとは各地に点在していた遊女屋を一箇所に集めて新しい町を作ったのがこの場所の始まりだそうです。
 
新町遊郭は四方を塀で囲われており、橋のたもとの大門には番所があったようで、人々の出入りは比較的厳しく統制されていました。つまり、この場所に足を踏み入れる為には橋を越え、門をくぐり、番所を通り抜けなければいけない。
 
なかなか簡単には辿り着けないですよね?これが新町遊郭の“非日常感・別世界感”をより一層高めていたのではないかと想像します。
 
新町橋石碑
現在、新町橋の架かっていた場所には石碑が建てられています。
 
山口草平・大阪新町橋図

「大阪新町橋図」山口草平

 
弊社でも過去に、新町橋を描いた作品のお取り扱いをしています。
 
作者は山口草平、大正-昭和期の日本画家です。大阪堀江の元芸妓で画家であった大石順教尼と、一時期結婚していました。
 
摂津名所図会・順慶町井戸辻夜店

『摂津名所図会』「順慶町井戸辻夜店」

 
当時この新町橋は、道頓堀の繁華街など市内側と遊郭を繋ぐ唯一の通路でした。
そのため橋の上には夜店が並び、それは橋の東側の 順慶町 まで続くほど大きな賑わいをみせていたとか。
 
浪花名所図会・順慶町夜見世之図

『浪花名所図会』「順慶町夜見世之図」初代歌川広重/画

出典:国立国会図書館デジタルコレクション

 
歌川広重の浪花名所図会にもこの順慶町の夜市の様子が描かれています。
 
こうやって見ると、色んな物が売られているのが分かってめちゃくちゃ面白いですね。
桶屋に魚屋(干物屋?)に占い、奥に見えるのは女性用の化粧品道具屋でしょうか…?
 
順慶町
こちらは順慶町側の現在の様子。弊社の店舗の場所を●で示してみました。
奥へ進むと御堂筋、そして心斎橋筋商店街に突き当ります。
 
澪標・大阪新町細見之図

『澪標』「大阪新町細見之図」吟古市人/編

出典:大阪市立図書館デジタルアーカイブ

 
さあ、いよいよ遊郭の中へ突入しましょう!
 
この場所から門をくぐって別世界へと入っていったのですね〜当時の男性のドキドキ・ワクワク感を想像しながら進みます。上の絵の中にも明らかに浮かれている人、いますよね(笑)
 
大阪新町 夕陽廓の賑

出典:日本の古本屋

 
こちらは遊郭の内部。当時の賑わいの様子が分かります。
図中右下の新町橋から奥へと真っ直ぐ伸びる道が新町遊郭の中心街、いわゆるメインストリートにあたります。
 
新町
ちなみにこちらが現在のメインストリートの様子。(当時の繁栄ぶりはどこへ…)
 
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さてみなさん、突然ですが 遊郭のシステム はご存知でしょうか??
ここでは新町遊郭の遊び方について簡単にご説明しましょう。
 
新町の遊女には4つの階級があり、その中で最も格が高いのは「太夫 (たゆう)」と呼ばれました。
 
最高位である太夫には容姿はもちろんのこと、深い知性や教養、また品性や内面の人間的魅力など実に多くのものが求められ、それらを体現する太夫は一般庶民にとっては憧れの存在だったようです。
現代でいうと才色兼備のトップアイドルといったところでしょうか?
 
客は「置屋(遊女を抱えておく店で、生活の場でもあった)」で遊女の品定めをし、「揚屋(遊女を招く店)」である料亭・貸座敷に予め指名した遊女を呼んで遊んだそう。ちなみに揚屋に招かれるのは格上の遊女のみ。太夫やその下のクラスですね。
 
以下は「茶屋(揚屋に比べて簡易的な店)」に呼ばれ、さらに格下になると「店付茶屋(茶屋と置屋が一緒になったもの)」で客を迎えました。
 
新町店つき

『浪花百景』「新町店つき」歌川國員/画

出典:大阪市立図書館デジタルアーカイブ

 
客が格子越しに好みの遊女を品定めしています。「みせ(見世)」とは通りに面して設けられた格子張りの部屋を指します。
 
しん町九けん丁

『浪花名所図会』「しん町九けん丁」

出典:国立国会図書館デジタルコレクション

 
こちらは揚屋に招かれる太夫の一行が描かれています。さすがトップアイドル、行列も華やかですね。太夫になるとこうした移動すらちょっとしたイベントになるのです。
 
新町廓中九軒夜桜

『浪花百景』「新町廓中九軒夜桜」里の家芳瀧/画

出典:大阪市立図書館デジタルアーカイブ

 
この場所は新町遊郭の揚屋町街。「九軒町」と呼ばれ、格上の遊女を呼んで遊ぶ揚屋が並んでいました。九軒町には桜並木が植えられており、殊に夜桜の名所として知られていたようです。
 
九軒町
かつての九軒町は現在公園に変わっていますが、隅の方には石碑が建てられており、公園内には当時と同じ桜並木が再現されています。
 
九軒町の有名な揚屋に吉田屋、高島屋などがあります。
1672年(寛文12年)頃に新町遊郭に実在し、絶世の美女と称され歌舞伎や人形浄瑠璃に登場する「夕霧太夫」も上記の揚屋で遊んだことが伝わっています。
 
こうして江戸中期には800名を超える遊女を抱え繁栄を極めた新町遊郭ですが、その後明治初頭の松島遊廓の誕生や芸娼妓解放令の発布、更には1890年(明治23年)に起こった大火の影響で、徐々にその規模は縮小へ向かいます。
 
新町演舞場跡地
高層マンション
 
1922年(大正11年)、高島屋の跡地に 新町演舞場(芸妓による浪花踊などが演じられた劇場)が建設されました。この頃にはすでに揚屋は吉田屋など数軒を残すのみとなっていましたが、その吉田屋も1945年(昭和20年)、大阪大空襲によって焼失してしまいます。
 
二度目の大火の際、この辺り一帯は再び焼け野原となり、唯一焼け残ったのが上記の劇場でした。
戦後、劇場の一部は書籍卸売業を営んでいた(株)大阪屋が社屋として利用していましたが、現在はそれも解体されて高層マンションへ変わっています。
 
そういうわけで、現在の新町には現存する遊郭の建造物はほとんどありません。なんせ二度も焼け野原になってますからね…。
 
そんなちょっぴり寂しい新町遊郭跡ではありますが、それでも歴史の名残や色街の面影は今もそれとなく漂っていますよ。今回は取り上げませんでしたが、散策中「おっ、これはもしかして…!?」というものを私もいくつか発見しました。
 
気になる方はぜひ一度ご自分の目で確かめにいらしてくださいね!
 
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ちなみに現在、新町は美味しいお店のひしめくエリアになってます。心斎橋や難波の喧騒からは少し外れるので穴場スポットでもあります。
 
私は休憩時間にランチがてらよく足をのばしますが、ディナーはもちろん、スイーツの有名店も多々あり、遊郭抜きにして歩くだけでも楽しい所です!
 
少しだけご紹介↓↓
 
餅匠しづく01
餅匠しづく02

餅匠しづく 公式HP より

 
まずはこのブログでも何度か登場している、餅匠しづく さん。
 
味はさることながら、外観もほんまに和菓子屋さんかと疑いたくなるほど洗練されています。お洒落なあの人への手土産にももってこい。
 
ちひろ菓子店01
ちひろ菓子店02

ちひろ菓子店 公式HP より

 
こちらは激うまフィナンシェのお店、ちひろ菓子店 さん。
 
関西の有名なスイーツレポーターちひろさんプロデュースのお店です。
食べた後小っさく叫びたくなるような、そんな味。お店で買い物したら焼きたてのフィナンシェもらえるよ。
 
他にもお気に入りのお店がたくさん!大好きなエリアです。
 
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株式会社縁 では、1Fの実店舗で器と掛軸の販売を行なっております!
器は主に、江戸〜幕末明治期の古伊万里が中心のお取り扱い。
 
弊社の店舗で古伊万里のお買い物 → 新町の遊郭跡巡り → 休憩がてら美味しいランチ → お土産にスイーツのテイクアウト
 
蒸し暑さも段々落ち着き、過ごしやすくなってくるこれからの季節。
ちょっとしたタイムスリップが出来そうな、こんなお散歩コースはいかがでしょう?
江戸時代って遠い昔のようで以外と身近かも…そんな風に歴史に思いを馳せる秋の休日もなかなか粋なもんじゃあないでしょうか(*^_^*)
 
(あっ、できれば散策は平日にお越しください…弊社の店舗は土日祝お休みにしてることが多いです…)
 
 
今回はこのへんで!
 
スタッフの趣味丸出し の投稿にお付き合い頂きありがとうございました。
あー面白かった!やはり遊郭にはいつの時代も人を惹きつける魅力がある気がします。そのうち探訪記第二弾やりたいなぁ。
 
それではまたお会いしましょう〜〜〜