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こっとううんちく【束ねたリボンは生ものだった!?】

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こっとう☆うんちく…その30
 
こっとううんちく
 
【束ねたリボンは生ものだった!?】
 
これ知って
あなたのドヤ顔
目に浮かぶ
(笑)
 
 
束ねてあるリボンのような文様、こちらは「束ね熨斗」。(たばねのし)
着物では古典的な柄の代表格です。
 
熨斗は、現在ではご祝儀袋などに付いている飾りのことを言いますが、元々は貝であるアワビを薄く剥ぎ、長く引き伸ばして乾かした保存食 のことでした。
ご祝儀袋に付いているものは「折り熨斗」と呼ばれ、紅白の紙を折って作ったものの真ん中に黄色や茶色の細長い紙が挟まっていますが、これがアワビの名残りなのです。
 
古くは神様へのお供えものとして、また江戸時代になると結婚式などのお祝い事の時の贈り物とされました。
長く「伸(の)す」が「延す」に通じ、日持ちもすることから『永続する』『長生き』といった吉祥の意味 を持ち、また束ねていることで『多くの人からの祝福を受ける』、あるいは『幸せを分かち合う』といった意味合いが込められます。
 
ご祝儀袋なんて、お年玉をもらっていた幼少期から幾度となく目にしていたのに、あれがアワビだなんて。あげる立場になった方、ぜひお子様に語ってあげてください・・・嫌われますよ(笑)
 
 
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こっとううんちく【優美かつ想像力の広がる文様】

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こっとう☆うんちく…その29
 
こっとううんちく
 
【優美かつ想像力の広がる文様】
 
器見て
歴史ロマンに
想い馳せ

 
 
こちらの七寸皿、何種類かの模様が適度な余白を残して配され、オシャレな印象ですね。
呉須で描かれているのが 桐文、金泥で描かれているのが 七宝文、では 濃淡2種類の朱色で描かれている葉っぱのようなものは何でしょう?
 
わかりそうでわからない・・・こちらは、杏葉文(ぎょうようもん)と呼ばれます。
 
杏葉とは、晴れの儀式の際に馬を飾った 唐鞍(からくら)と呼ばれる一連の馬具の中の1パーツで、馬の胸と腰のあたりにぶらさげる飾りのこと です。形があんずの葉っぱに似ていることからその名が付いた とされています。
西南アジアから南北朝時代の中国に流入、唐代に流行した後、日本に伝来。平安時代以降、賀茂祭(葵祭)や春日祭でも使われました。
 
植物の桐と一緒に、なぜ馬具である杏葉が描かれているのか?ここからは想像の域を脱しないお話になるのですが・・・。
 
桐も杏葉も、家紋のデザインとして用いられています。
桐文は言わずと知れた、豊臣家
杏葉文を家紋としていたことで有名なのは、文禄・慶長の役の後、朝鮮人陶工の李参平を連れ帰り、伊万里焼誕生のきっかけを作った、佐賀(鍋島)藩の藩祖・鍋島直茂 です。(佐賀県の銘菓に鍋島さまという最中があるのですが、この杏葉文が描かれています。)
直茂は、豊臣秀吉の九州平定に加勢、島津氏の屈服に一役買ったことで評価を得、1589年には豊臣姓が与えられました。
 
さらに、もうひとつの七宝文の「七宝」とは、無量寿経という仏教経典に書かれている七つの宝のことなのですが、これを4分の1ずつ重ねて上下左右に規則正しく連続させる文様を「七宝繋ぎ」といい、四方(「しほう」→「しっぽう」と呼び方が変化した)に無限に広がる輪で、無限に連鎖する 平和や円満を表しています
 
ということで、このお皿のデザインには『秀吉と直茂の蜜月ぶり』、あるいは『両家の繁栄が祈念』されているのかも??
 
こっとう☆うんちくシリーズで初めて、イマジネーションの翼を広げた内容、いかがでしたでしょうか?
決して証明ができるわけではないことだからこそ、ロマンが広がりますね。
 
 
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こっとううんちく【可憐ながら意外に骨太!な、この文様】

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こっとう☆うんちく…その28
 
こっとううんちく
 
【可憐ながら意外に骨太!な、この文様】
 
大きな葉
小花とセットで
ほりえもん?

 
 
こちらには、丸く大きな葉っぱが印象的な水草が描かれているのですが、当然ながら「堀江」文ではありません(笑)
 
「河骨」文(こうほねもん)といいます。
 
コウホネはスイレン科の水生植物で、泥のたまった沼や小川などに自生します。夏(6~9月)に黄色く小さな花を咲かせます。
花言葉は「崇高」。泥沼から美しい花を咲かせることが悟りを表すということで仏教的に珍重されるハスにも、その生き様は似ていますね。
 
和名であるコウホネには諸説あるようですが、一説に 白くて太い地下茎が骨のように見える ことから、河の骨、河骨 と呼ぶようになったとされています。
 
そして、このコウホネの葉っぱを様々な形に配してデザイン化した文様が、家紋 として使われてきました。これで「ほりえもん」と言った理由がわかりましたでしょうか?単なるウケ狙いではありません!平安時代中期の貴族で武将だった、藤原為憲の血筋を引く 堀江氏 などが家紋として用いてきたそうです。
 
ちょっとひっかけみたいな五七五で、すみません。器探しの際にこの文様が出てきたら、ぜひご注意ください。
 
 
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★こっとううんちく【古くから愛され続けてきた石】(うんちくカード掲載)

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こっとう☆うんちく…その27
 
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【古くから愛され続けてきた石】
 
太古より、
あるから”たいこ”
石ではない

 
 
この器の見込みの真ん中に描かれている、お化け(?)のようにも見える白い物体。
こちらは“たいこせき”と呼ばれる石なのですが、”太古”や、ましてや、”太鼓”でもありません。“太湖”石 と書きます。
 
これは、中国の現在の江蘇省と浙江省の境界にある、面積が琵琶湖の約3.4倍にも及ぶ広大な湖、太湖周辺の丘陵から切り出される石灰岩 で、湖水や風雨によって浸食され、くぼみや穴の開いた 奇形の石 のことです。
中国の庭園などでよく見られますし、おみやげ品として複製の置物が売られていたりもしますね。
古くから画題としても好まれてきました。現在では、天然記念物 として国外への持ち出しが禁止されています。
 
一説には、唐代の詩人、白居易(772~846)が発見したとも言われています。
複雑な形状が 仙境(仙人の住む場所)を思わせ、穴はその先に広がる 桃源郷への入り口 のようだということで、道教の思想が重ねあわされたことも、その愛好を広げる一因だったようです。
 
太湖石は、よくお花と共に描かれます。
この器の場合、右に「百花の王」と呼ばれ富貴の象徴とされてきた”春に咲く牡丹”を、左には高潔な美しさを備えた四季の花々「四君子」のひとつ”秋に咲く菊”を配しています。
この2つで「幾”春秋”を経る」などと言われるように、長い年月を重ねることへの憧れ が表されているのです。
 
太古から存在するから”たいこ”石ではないにも関わらず、長寿を祝う吉祥文 ではある。
あ~、ややこしや~~・・・
 
 
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★こっとううんちく【ヘタウマなキャラの識別方法】(うんちくカード掲載)

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こっとう☆うんちく…その26
 
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【ヘタウマなキャラの識別方法】
 
ゆるすぎて
わからなければ
花を見る

 
 
古伊万里の器には色々な動物が描かれていることも多く、その愛らしさに人気が集まります。弊社でも最近、珍しい「ゾウ」の文様が描かれた通りもんが、飛ぶように旅立っていきました。
 
こちらの深鉢にも、何やら生き物らしきものが。ただ、目があるからかろうじて生き物とわかるけど・・・というくらい ゆる~い ですね(汗)
こんな時、よくペアで描かれる植物を知っていると便利 です。
 
これは「牡丹に唐獅子」
 
百獣の王とされる獅子と、百花の王とされる牡丹の組み合わせ は、勇猛さと華麗さを備えたまさに 最強 を意味します。武士に好まれ意匠として甲冑などに用いられたり、権威を示すために襖絵などにも多く描かれました。
 
また、これとは別の由来として、仏教経典から来た「獅子身中の虫」ということわざをご存じでしょうか?
組織の内部にいる裏切り者、恩を仇で返すような人のことを指す言葉ですが、それを「獅子の体内に寄生しその命をも脅かしかねない虫」と例えています。
そして、その虫の薬となるのが牡丹の花にたまる夜露なのだそうで、獅子と牡丹は切っても切れない関係 というわけです。
 
その他のペアを挙げてみますと・・・
 
「松に鶴」「梅に鶯」「紅葉に鹿」「柳に燕」「桐に鳳凰」など。これらはそう、花札にも描かれている組み合わせ。
他にも、「竹に雀」「粟に鶉(うづら)」などがあります。
 
最後に、植物ではないのですが、弊社でも大人気の「ウサギ」は「波」と一緒に描かれることが多く「波兎」と呼ばれます。うさちゃんがなぜ陸におらず、波に乗っているのでしょうか??
これはぜひ皆様で、調べてみて下さいね。
 
 
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