ENjoy Antique

縁の社員が日常で琴線にふれたモノやコトにスポットライトを当てます

骨董屋の仕事

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こんにちは!スタッフの冷子です。
 
「お仕事何されてますか?」って、人生の色んなシーンで聞かれる事ありますよね。
私の場合「骨董屋!」と答えると、高確率で興味を持たれるor怪しまれます(笑)
全く怪しくないです!とってもクリーンな仕事です!
 
仕事内容は様々ですが、今日は私の仕事をご紹介したいと思います。
それは「査定買取」です。
 
お客様から遺品整理などの依頼を頂き 実際にお客様のご自宅に訪問 します。
最近は、コロナの影響もあったり、LINE査定、宅配査定、訪問以外でもお気軽にお買取りさせて頂く事も増えてます。
 
お客様のご自宅に向かう車中では、「今日はどんな品物があるかな~?!」と、上司とワクワクしながら向かってます(必ず男性バイヤー+女性スタッフの二名で参ります)。
到着後は、お客様に安心してもらえるように、持ち前の元気な挨拶と、特大の笑顔でピンポン押します。
 
大切にされていたお品物ばかりなので、弊社の 敏腕バイヤーが一点一点しっかり説明 します。
買取風景
ずっと終いっぱなしだった掛軸などを広げ、一緒に見ながら査定する事が多いのですが「わぁぁl!懐かしい!お正月になったらこれいつも、おじいちゃん掛けてたなぁ~!」など、家族の皆様の思い出が溢れる瞬間に立ち会う事が多く、じーーーんとする機会が沢山あります。
 
しっかり 今の骨董相場や価値をお伝え するので、それを踏まえて、最終判断をお客様に選んでもらいます。
また クーリングオフ制度もございますので、8日以内でしたらご返却も可能 なので安心してお譲り頂いてます。
 
実際にご訪問して、色々お話していると、「これも見てくれる??」と、依頼を頂いた時点では、聞いていなかったお品物を 追加でどんどん出してきて頂いたり、「近所のお友達のも見てくれる?」など、プチお宝鑑定会が始まる事もあります。
 
『これは骨董品じゃないから買取れないよね?』と出して頂いたお品物が、意外と『これ今人気なんですよ!』と 高値でお買取りできる場合も あります。
ただ、逆の場合もあります…。その時ばかりは辛くなります…。
 
こんな時代ですが、やっぱり人と人との繋がりは、大切ですね。
直接会って、私達の仕事風景を実際見てもらって、安心してもらえるのが一番です。
良い『ご縁』でした。と言って頂けるよう、これからも頑張りたいです。

幸運をもたらす神獣、四霊

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皆様、いかがお過ごしでしょうか?担当のC・Kです。
 
いったん収まったと思われたコロナが徐々に猛威を振るい始めています。
このようなときは自分と家族、友人など大切な人の無事を祈って思わず神頼みをしてしまいますね。今回は、そんな神様ではないですが、少し関係ある神獣についてのお話です。
 
突然ですが、皆様は『四神(しじん)』をご存知でしょうか?
 
東西南北、各方位を司る有名な神、神獣です。
それぞれ、東の青龍西の白虎南の朱雀北の玄武を指します。
元は中国から伝わったものですが、日本でも多くの人に信仰されています。最近では、ゲームや漫画にも登場するので、ご存知の方も多いと思います。
 
では、『四霊(しれい)』をご存知でしょうか?
 
四神と同じく、想像上の四体の神獣ですが、ややマイナーかも知れませんね。正確にいうと中国の古い書物『礼記』(儒教において最も大切な書物、五経のひとつ)に記された、四体の神秘的な動物のことをいいます。四瑞(しずい)ともいいます。
 
それぞれ・・・
 
麒麟(きりん)
 
動物園にいる首の長い動物ではありません(むしろこちらはこの麒麟に似ているとされ、名づけられました)。鹿の体、龍の顔、馬の蹄、黄金の体毛を持った一角獣です(2、3本の角を持って描かれることもあります)。某ビール缶でご覧になられた方が多いと思います。
 
麒麟
 
鳳凰(ほうおう)
 
梧桐(日本ではアオギリ)に住み、五色の羽を持っている鳥です。実は花札の12月の月札に登場します。
鳳凰
霊亀(れいき)
 
仙人たちの桃源郷である蓬莱山を背負った大きな大きな亀です。
霊亀
応龍(おうりゅう)
 
蝙蝠、もしくは鷹の翼を持つ龍です。
霊亀
それぞれ略して、麟(りん)、鳳(ほう)、亀(き)、龍(りゅう)とも呼ばれます。
 
『四神』が方角を司る守護神であるのに対し、『四霊』はこの世のあらゆる動物たちの長とされています。『四霊』という言葉に「霊」という漢字が使われているので幽霊的な怖いものを連想してしまった方もいると思います。しかし、この「霊」は幽霊的な意味ではありません。
 
あらゆる物の中で最も優れたものをさす言葉で「万物の霊長」という言葉があります。『四霊』の「霊」もこれと同じで、あらゆる動物たちの中で最も優れた力を持つという意味になります。
 
つまり、『四霊』は 何か善いことが起こる前兆、吉兆の徴となるような特徴をもつ伝説上の動物たち のことを指すのです。『四霊』の中でも特に、麒麟と鳳凰は優れた治世に現れ、見た者に幸運をもたらすとされています。
 
このブログを読んでくださった方々にも幸運が訪れることをお祈りしています。
 
 
最後に、弊社のホームページでは現在、浄光鶴亭作『桐鳳凰図』 を掲載販売しています
(販売ページ:https://www.art-en.jp/hp047/)。
 
浄光鶴亭の鳳凰図は2016年に開催された展覧会「わが名は鶴亭」に展示されました『桐に鳳凰図』宝暦三年九月(個人蔵)の他には確認されていません。かなり貴重な作品となっています。
 
ぜひ一度、ご覧くださいませ。

【鬼滅の刃・小噺 その⑤ 】鬼滅の面 – 天狗と狐

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こんにちわ。バイヤーA です。
 
「鬼滅の刃」では鬼を狩る人たちは、剣術の修行を「育手」と呼ばれる師匠の元で励む事になります。主人公の竈門丹次郎もまた、鬼狩の師匠に弟子入りすることになり、その人物がなかなかインパクトがありましたのでご紹介します。
 
天狗の面を被った老人です!名前は、鱗滝左近次(うろこだき さこんじ)。
鱗滝左近次

(出典:みんなのランキング)

 
素顔は決して見せず、常に面を被っているようです。何やら理由は、若い頃に優し過ぎる顔立ちを鬼に馬鹿にされた事が原因だとか。
狐の面

(出典:逆転いっしゃんログ)

 
そしてこの天狗爺さんは、自分の元を卒業した子供達に狐の面を彫って「厄除けの面」として持たせています。厳しくも優しい師匠です。
 
 
実は、現実世界においても古くから 天狗と狐 は深い縁があり、飯綱山(長野県)の 飯綱権現(飯綱三郎天狗)は、いわばカラス天狗のような姿で白狐の背に乗り、秋葉山(静岡県)の 三尺坊天狗、大雄山(神奈川県)の 道了尊 も同様に、天狗の乗る「白狐」を神使としています。
 
弊社で取り扱う掛軸においても、山岳仏教・修験道に関わる作品はしばしば見受けられます。
 
【飯綱権現(飯綱三郎天狗)奥村恭法作】
飯綱権現
【三尺坊天狗(秋葉山)】
三尺坊天狗
その他、天狗と狐、それぞれ単体でも勿論描かれており「鱗滝さんの面」と同じように、魔除の効果はあるようです。
 
【弊社取り扱い商品】
弊社取り扱い商品
特に白い狐、お稲荷さんは掛軸の画題としても多岐に渡ります。
 
【河鍋暁斎作】
弊社取り扱い商品
種類の多い画題は、コレクターの方からも愛されて多くの人に蒐集されています。皆さんも、ご自身の蒐集品に何か一つこだわりを持って集められるのも、掛軸を楽しむ一つの方法としてオススメします!

美術品の強い味方

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こんにちは!担当のNです。
 
長い梅雨もそろそろ終わりが見え、カラッとした天気も増えてきましたね。
 
気候が変わりやすい季節は、美術品にとっても湿気が大敵になります。特に書物や着物などは湿気を嫌うことから 桐箱 とは相性がよく、大切に保管するために欠かせない存在です。
 
桐箱には 調湿性耐火性 が高いという特性があり、劣化や破損、火災や水害から守る役割があります(燃えにくい、水が入りにくい、湿度が一定に保たれるといった効果です)。ほかにも 防腐虫が嫌う 成分を含むという高性能ぶりです。
桐箱
日本人は古来より物を大切に扱うという習慣があり、美術館や博物館などで収蔵している美術品をはじめ、沢山の品々が次の代へと受け継がれてきました。
 
また、現代では、お歳暮やお中元の食品なども桐箱に入っていたりと、用途の幅がとても広く万能の保存箱と言えますね。大切な品々を長く愛用するためのお供に、桐箱を使ってみてはいかがでしょうか。
 
弊社オークション(こちら)で、掛軸の時代箱〜現代の箱までの取り扱いがあります。お気軽にご利用ください。

骨董の「紫」②

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バイヤーAです。
 
もうひとつ、骨董界で 「紫」が印象的なのは 茶道 でしょうか。
茶道といえば 大徳寺 が頭に浮かびます。
今回は、茶道と密接な関係のある「大徳寺」にまつわる「紫」を紹介します。
 
禅で有名な大徳寺は「大徳寺の茶人面」と称され、茶の湯と大徳寺の関わりはかなり深いです。
大徳寺
大徳寺は京都の「紫野(むらさきの)」にあります。平安時代は貴族が狩りをする場だったのですが、紫野の名称の由来は、むらさきの染料として用いられた紫草が多く自生していたことから、らしいです。
 
そんな大徳寺関連の掛軸には、かならず…「大徳寺派 ○○」「前大徳 ○○」「紫野 ○○」と、老師のお名前の前に位が付きます。
紫野01
紫野02
「紫野」昌道 とあります。
前大徳01
前大徳02
こちらは「前大徳」大徹… ですね。
 
大徳寺派→前大徳→紫野 この順に位は上がり、掛軸の価格も上がります。
 
そして、同じ塔頭(たっちゅう)なら、老師のお年が高い 方が、また歴史的に、より「茶道」と縁の深い塔頭 の方が、価格が高くなります。お軸の状態や他にも多くの事が関係すると価格は変わりますが、「位」だけで新品の物に限りシンプルに判断すると、上記の順になります。
 
最高位は、やはりムラサキの「紫野」。
 
京都の「紫野」には平安京以前から疫病を鎮める為に疫神を祀る神社仏閣が多くあったとされ、現在に至るまで疫病退散の神として崇められています。やはりムラサキの地は古より、疫病を鎮め、邪鬼を払う土地だったのでしょうね。
 
「紫」に関して二話続けてお話させていただきましたが、次回は依然人気の「鬼滅の刃」に戻りたいと思います。漫画の連載が終了したものの、お菓子や関連グッズが巷に増えてきて子供達に財布を狙われている日々です…。
 
それではまた。